2021年8月26日、27日に開催された日本社会心理学会第62回大会に参加しました。今回は、Web発表の中で会社での仕事に生かせそうだなと思ったものを選んで紹介したいと思います。発表タイトルをクリックすると、抄録ページへ飛ぶはずです。
以下で紹介しているもの以外は社会心理学会の大会論文集データベースから閲覧できます。今年のものだけでなく、1980年度(第21回大会)分から全部見られますよ。
対人関係
社会的スキルが意見の異なる相手との協調的行動に及ぼす影響
上越教育大学の石川真先生によるご研究です。社内の会議やクライアントとの会議を円滑に進めていくためのヒントになるかなと思いました。
日常生活場面における他者操作方略の影響の再検討(1)
昭和女子大学 生活心理学研究所の木川智美先生と、昭和女子大学大学院の今城周造先生によるご研究です。頼み事をする機会はマネージャー的な立場になるにつれて増えるよなぁ、と思い選びました。
態度・信念
長期的な説得における態度の時系列変化①
帝塚山学院大学の中村早希先生、関西学院大学の稲増一憲先生、大阪大学大学院の三浦麻子先生によるご研究です。社内での調整や取引先との商談など、意思決定を行ってもらうために相手を説得する場面はたくさんありますよね。
集団
上司の公平性がチームの心理的安全性およびコミットメントに与える効果--マルチレベル構造方程式モデリングによる検討--
青山学院大学の繁桝江里先生と九州大学の山口裕幸先生によるご研究です。リーダーシップ研修等を考える際に参考になるかなと思いました。
政治・マスコミュニケーション
CMの登場人物の顔への注目--購買態度の情緒性による違い--
文教大学の岡野雅雄先生と浅川雅美先生によるご研究です。これは私が顔の研究大好きだから、という理由で紹介します。
社会問題
誰がなぜ苦情・クレームを訴えるのか--カスタマーハラスメントの実態把握と行為者の類型化の試み--
関西大学の池内裕美先生によるご研究です。toCビジネスをしている会社では、悪質クレーマー問題に大なり小なり困っているところもあるのではないでしょうか。
ジェンダー・ダイバーシティ
リーダー経験の結果の原因帰属とリーダーシップ自己効力感との関連の検討
広島大学大学院の山口彩菜先生と坂田桐子先生によるご研究です。日本は他国と比べるとまだまだ女性リーダーが少ないです。リーダー育成のために必要なことは何か、参考になるかなと思いました。
リーダーのジェンダーと行動がリーダー評価に与える影響--広告刺激を用いた実験的検討--
明治学院大学大学院の藤浪遼太郎先生と田中知恵先生によるご研究です。リーダーの評価をさせるにあたり、広告を用いてストーリーを呈示しているのが面白いなぁと思いました。