※本ページにはプロモーションが含まれています。
塩谷舞さんのエッセー集『ここじゃない世界に行きたかった』を読んだ。本書には、塩谷さんがこれまで書かれていたエッセーを加筆・修正したものに加えて、新たに書き下ろした作品が組み込まれている。表紙が美しいのはもちろん、中に収録されている写真もとても美しい。
最近、エッセーを読むことにはまっていて、少し前には夏生さえりさんのエッセー集『揺れる心の真ん中で』も読んだ。さえりさんのエッセーを読んだ感想は「共感できる」が主だった。自分の悩みは自分だけが抱えているのではなく、他の人も通る道なんだなと感じた。そして、私も一歩一歩頑張ろうと思える、そんな1冊だったと思う。
塩谷さんのエッセーにも、もちろん共感できる話がある。ただ、どちらかと言えば、塩谷さんのエッセーは塩谷さんの価値観やものの見方に触れることで、自分は(自分だったら)どうだろうとじっくり考える機会を与えてくれるものだと思う。私は何を「美しい」と感じるのか、何を選んでいきたいのか、自分の中の軸を確かめる機会を得た気がする。まさに「視点」が広がるような感じの本だった。
「自分の中の軸」に関連してだと、ちょうど4月に就職したこともあり、仕事(働き方)の話が印象に残っている。身体が強い方ではないらしい塩谷さんが働く上で大切にしている基準が書かれていた。
塩谷さん同様、私も体が丈夫な方ではない。特に胃腸が弱く、疲れはすぐに胃腸の調子の悪さで現れてくる。例えば、これ以上体重が減ってはいけない身なのに、一瞬にして食事が取れなくなる。そのため、短い睡眠時間で乗り切る等、胃腸に負担のかかる生活をすることはできない。塩谷さんの言葉を借りて言えば、「強い男性たちが中心となってつくってきたルール」に自分を合わせて生きることは到底できない。
塩谷さんのマイルールは以下の3点だと書かれていた。
- 数値的な目標達成よりも、「良好な精神状態」を一番大切にすること。
- 規模の拡大よりも、価値の向上に重きを置くこと。
- 世の中の出来事すべてをキャッチアップするのではなく、自分の感性に従うこと。
個人事業主である塩谷さんのマイルールをそっくりそのまま会社員の私に当てはめることは難しいだろう。ただ、こうした【自分が健康に生きるためのマイルール(行動基準)】を何かしら定めておくことは大事だなと思った。自分にとって本当に必要なものは何か、必要なものと判断するための軸に何をおくのか、これから始まる長いキャリアを考えるためにも決めておきたい。