文庫版「ヘンな論文」を読みました

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阪急梅田駅1階にある紀伊國屋書店をぶらぶら歩いていた。ちょうどカドフェス2018が始まった頃だったと思う。ずっと買い続けている漫画の新巻もまだ出ていなかったし、なんとなく文庫本コーナーの平積みを眺めていると、ゆるいイラストにデカデカとタイトルが書かれた本を見つけた。

ヘンな論文 (角川文庫)

その名も、「ヘンな論文」である。

え、「ヘン」な論文って何????

早速手に取り、ざっと目次とあらすじを見てみると、どうやらユニークな論文を一般向けに紹介した本らしい。目次に書かれたタイトルが面白そうだったので、購入した。

しばらく放ったらかしていたのだが、昨日気が向いて読み始めると、夢中になって読み進めてしまった。非常にわかりやすく、軽快に、学術論文の内容が紹介されていたのだ。しかも、軽快ではあるが、学問としての意義もきちんと抑えられている。何が「面白い」ポイントなのかがわかりやすい。研究という営みが一体何をするものなのかを知らない人に対して、的確に、そして丁寧に説明されていると感じた。研究に対するリスペクトと愛がすごい。

私はめちゃくちゃ文章を読むのが遅いのだが、6時間足らずで読み終えてしまった。きっと、文章を読むのが速い人であれば、もっと速く読み終えてしまうと思う。それくらいさっくり読める。そして、読み終えた後、「研究って楽しいよなぁ」というワクワクした気持ちになった。主観的には、ハイキューの最新巻を読み終えた後と同じくらいワクワクした。

私もこれくらい楽しく研究の話を書いてみたいとも思った。この著者のすごいところは、おそらく専門外の分野の論文も読み漁っているところだと思う。そして、専門外の話でも自分の言葉でその内容を伝えているところだ。わからなかったことは正直にわからないと書いてあるところも、研究に対して真摯な気持ちを持っているからこそなんだろうと思う。今の私には、専門外の研究の話を自分の言葉で、明るく楽しく元気よく話せるくらい理解することは難しいなと感じた。これができるくらいになりたいと思った。

個人的に好きなエピソードは、コーヒーカップの音の話だ。日常生活の中で見つけた疑問を、科学的な方法論で突き詰めて考えていく研究スタイルは大好きだ。私も、こういう研究ができるといいなぁと思いながら読んでいた。

久しぶりにテンションが上がったので、勢いで読書感想文を書いてしまった。これから論文紹介をするときは、単にアブストを書いて載せておくメモ的なものではなくて、ストーリーを魅せるようにして書くことを目指してみたい。